1.機能と効能
フローチャート、ネットワークダイアグラムなどがかっこよく描ける無料のツールですが、回路図を描くのにも重宝します。保存データ形式はXML。選択した図形はPNGやSVGにエクスポートできます。LaTeX形式で文字や数式を書き込むことができるので、試験問題作成(特に入試)において威力があります。
講義資料、書籍を執筆するときに使用している回路図シンボルライブラリを公開します。
- merl2.6.xml (2025.2.06更新)
- 導入方法は、3. 回路設計用シンボルライブラリを参照
2.初期設定
- 導入と起動
- デスクトップ版をインストールして使用:こちらでダウンロードしてインストール
- Web版をインストールせずに使用: https://www.draw.io にアクセス
- Web版は、作成した図の保存先(クラウド、ローカルドライブなど)を選択してから起動
- draw.ioを起動して、Create New Diagram をクリック
- 作図の種類を選択して(とりあえず Basic – Blank Diagram)、Create をクリック
- 作図画面が表示される
- 図形ライブラリの設定(この設定は保存される)
- 図形ライブラリの設定
- 左側図形リストの下にある +More Shapes ボタンをクリック
- リストから、Other – Electrical にチェックして、Apply をクリック
- 電子部品のシンボルが図形リストに追加される
- 図形ライブラリの設定
- グリッドの設定
- メニューより、File – Page Setup… を選択
- Grid Size を設定(デフォルトは10)
- TeX数式の設定
- メニューより、Extras – Mathematical Typesetting を選択
3.回路設計用シンボルライブラリ
講義資料、書籍を執筆するときに使用している回路図シンボルライブラリを公開します。
- merl2.6.xml (2025.2.06更新)
- 上のファイルをダウンロードして適当な場所に保存(クラウドストレージに置くと便利)
- File – Open Library で保存した場所を指定
- 上記ファイルを選択して開く
- 左側図形ライブラリ欄に merl2.6 の回路図シンボルが表示される
4.基本操作
- 図形の配置
- 左側図形欄から図形をクリックまたはシート上にドラッグして配置
- よく使うシンボルは Scratchpad に入れておくと便利
- メニューより、View – Scratchpad を選択
- 左パネルのScratchpad欄に図形をドラッグ
- 図形欄 General の図形もよく使用するので▷リストを開いて置くとよい
- よく使うシンボルは Scratchpad に入れておくと便利
- 左側図形欄から図形をクリックまたはシート上にドラッグして配置
- 線の接続
- 上部ツールバーの Waypoints で線のパス形状を選択
- 直線(Straight)は斜め接続が可能、折線(Orthogonal)は斜め接続不可
- 矢印付き折れ線(Simple)を選ぶと、接続点の縦または横座標がズレていて、小さく折れたり、斜めになる線を、垂直または水平線で接続してくれる
- 図形の接続点(マウスホバーにより緑着色)付近をドラッグして線を描く
- 右側 Format Panel の Style タブで、線の始端と終端の形状を選択
- デフォルトでは、矢印になるので、先端形状を None に設定して、Set as Default Style をクリックしておくとよい
- 上部ツールバーの Waypoints で線のパス形状を選択
- 文字入力
- 上部ツールバーの+ボタンでテキストを選んで、文字を入力する
- 数式入力
- メニューより、Extras – Mathematical Typesetting を選択した状態で
- インライン数式: \\( と \\) で囲む
- ブロック数式: \$$ と \$$で囲む
- メニューより、Extras – Mathematical Typesetting を選択した状態で
- 配線の接続点と入出力端子
- 配線の接続点
- 右側 Format Panel の Style タブで、線の始端または終端の形状を、黒丸にする
- 上記の方法で、交差した配線の接続点は付けられないので、前に導入した図形ライブラリから黒円を呼び出す
- 入出力端子のシンボルは図形ライブラリにあるが、丁度よい位置に置きにくいので、通常は下記の方法を使う
- 右側 Format Panel の Style タブで、線の始端または終端の形状を、白丸にする(大小が選べる)
- 配線の接続点
- ファイルへのエクスポート
- ファイルへのエクスポート(PNG, SVGなど)
- エクスポートしたい図の部分をドラッグして選択
- メニューより、File – Export as
- ファイルフォーマットを選択
- Selection Only にチェック
- 必要なら Transparent Background(透明背景)にチェック
- Export ボタンをクリック
- ファイルへのエクスポート(PNG, SVGなど)
- クリップボードへのコピー
- コピーしたい図の部分をドラッグして選択
- メニューより、Edit – Copy as Image
- 以上で、Officeソフト等に貼り付け可能
- GIMPで編集する場合は、GIMPのメニューより、画像の生成 – クリップボードからを選択
5.ライブラリコンポーネントの作成
- ライブラリファイルの作成
- メニューより、File – New Library…
- ファイル名とパスを設定して、Save ボタンをクリック
(参考)シートに図形を描いてグループ化してもライブラリに登録できるが、後で編集できるように下記の手順でシェープにしておく。
- 図形を新規作成する場合
- Arrange – Insert – Shape… – Applyボタンをクリック
- 円と正方形がシートに表示されるので、これを選択
- 右パネル – Styleタブ – Editドロップダウンリスト – Edit Shape…
- Edit Shape 編集画面が表示されるので、記述コードを編集して適用ボタンをクリック
- 記述方法は簡単なので、いくつかの図形の例を見れば分かると思う
- 出来上がった図形を右クリックしてコンテキストメニューから、Edit Connection Points… を選択
- スナップ点を追加または削除して適用ボタンをクリック
- 図形を左パネルのライブラリにドラッグ&ドロップして登録
- ライブラリの鉛筆アイコンで、コンポーネント名を入力(ライブラリ名も変更できる)して保存
- 既存図形を編集する場合
- 既存コンポーネントをライブラリからシートに呼び出す
- 編集するコンポーネントを選択し、フォーマットパネル(右ペイン)で、Styleタブ – Edit ドロップダウンメニュー – Edit Shape…
- 以降、新規作成の時と同じ手順で編集およびライブラリに登録
- (参考)呼び出したコンポーネントのスナップ点がグリッドから外れる場合があるので、フォーマットパネル(右ペイン) – Arrangeタブ – Snap to Grid を実行しておく。