Windows Subsystem for Linux (WSL)は、Windows上の仮想マシンによりLinux環境を提供します。LSI設計ツールで使用されるOSはLinuxであることが多いので、Windowsユーザは、ターゲットの製造プロセスごとに、WSLを使用して開発環境を構築すると便利。備忘録として、インストール手順と初期設定をメモしておきます。
インストール手順
WSL2以降(2020年)のバージョンでは、Xサーバが利用可能になっているので、別途Xサーバ(VcXsrvなど)をインストールする必要はありません。
- Windowsのスタートメニューより以下の設定
- すべてのアプリ -> Windowsツール -> コントロールパネル -> プログラム -> Windowsの機能の有効化または無効化で、「Linux用Windowsサブシステム」と「仮想マシンプラットフォーム」にチェックしてOK
- Windowsを再起動
- スタートメニューからターミナル(PowerShell)を起動し、下記のコマンドでLinuxをインストール
- 提供されているディストリビューションのリストを表示
wsl --list --online
- 選んだディストリビューションをインストール
wsl --install -d ディストリビューション名
- エラーが出る場合は、WSLをアップデートしてみる
wsl --update
- Windowsを再起動
- 提供されているディストリビューションのリストを表示
- WSLを最新版に更新
- Ubuntuにログイン
- Ubuntuのターミナルで、下記のコマンドで最新版に更新
sudo apt update; sudo apt upgrade -y
- 日本語環境のインストール
- 必要に応じて下記の日本語環境を導入
- sudo apt install language-pack-ja language-pack-gnome-ja
sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
sudo apt install manpages-ja manpages-ja-dev
sudo dpkg-reconfigure tzdata // Asia, Tokyoを設定
echo 'export LANG=ja_JP.UTF-8' >> ~/.bashrc
- sudo apt install language-pack-ja language-pack-gnome-ja
- 必要に応じて下記の日本語環境を導入
- Ubuntuの起動
- 以降、PowerShellを起動して、ツールバーのドロップダウンアイコン(下向きカーソル)からUbuntuを選択、またはPowerShellで下記コマンドから起動します。
wsl または wsl -d ディストリビューション名
- 以降、PowerShellを起動して、ツールバーのドロップダウンアイコン(下向きカーソル)からUbuntuを選択、またはPowerShellで下記コマンドから起動します。
基本環境の作成
- プログラミング環境のインストール
- Ubuntuのターミナルから、必要に応じて以下のインストールを実施(Ubuntu 24.04の例)。
sudo apt install build-essential // gcc, g++など
sudo apt install nodejs // Node.jssudo apt install npm
を使う場合
sudo apt install python3 python3-pip // python3
sudo apt install python3-venv
sudo apt install emacs // テキストエディタ, vimを使う人は不要
sudo apt install cmigemo // ローマ字-日本語検索
- Ubuntuのターミナルから、必要に応じて以下のインストールを実施(Ubuntu 24.04の例)。
- X window用ユーティリティのインストール
- xhost の実行には必須
sudo apt install x11-xserver-utils
- ターミナルは好みで(無くてもよい)
sudo apt install xterm
- xhost の実行には必須
Linuxの初期化または削除
作成した開発環境が気に入らなければ、WSLを初期化してやり直しができます。
- Linuxの初期化
- スタートメニューからPowerShellを起動し、下記のコマンドで初期化
wsl --unregister Ubuntu // Ubuntuを初期化する例
- PowerShellを起動し、ツールバーのドロップダウンアイコン(下向きカーソル)からUbuntuを選択すると、初期設定から開始される
- スタートメニューからPowerShellを起動し、下記のコマンドで初期化
- Linuxの削除
- Windowsの設定 -> アプリ -> インストールされているアプリから、削除するディストリビューションを選んで、アンインストール
コメント
“Windows Subsystem for Linux のインストールメモ” への1件のコメント
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